Substackの日曜投稿は、水曜投稿の1.78倍の購読を生む
9,641本のNotes分析が示した曜日効果と、日本の書き手が見落としている投稿時間帯における戦略
9,641本のNotes分析が示した曜日効果と、Substackで配信タイミングを考える視点
書き手が投稿の中身に時間をかけるのは当然だ。だが、その投稿を「いつ出すか」に同じくらいの時間をかけている書き手は、ほぼいない。配信タイミングは、内容と同等に結果を変える。英語圏のSubstack分析データが、この事実を具体的な数字で示している。
9,641本のNotes分析が示した、曜日による78%の差
2026年5月8日、Sinem GünelとOrelという二人のSubstack書き手が、英語圏Notesの大規模分析結果を「Write・Build・Scale」上で発表した。分析対象は2026年4月の1ヶ月間にWriteStackのデータベースに記録された9,641本のNotes。689人の書き手による投稿だ。ニュース・スポーツ・暗号通貨・速報といった外部イベントに紐づく投稿は除外され、純粋にNotesのフォーマットと結果の相関を見た分析になっている。
この分析の中で、曜日別の購読転換率が示された。
日曜のNotes: 1本あたり0.236人の新規購読
水曜のNotes: 1本あたり0.133人の新規購読
差は78%。日曜のNotesは水曜のNotesの1.78倍の購読を生んでいる。Notesのフォーマット効果(クレデンシャル・フックや31〜60語の最適長)とは別に、純粋に「投稿曜日」だけが原因となった差だ。
火曜のNotesが0.20で2位。週の真ん中である水曜が最も弱かった。
なぜ日曜のNotesが機能するか
分析者は、日曜が機能する理由をこう書いた。
日曜は読者が、受信ボックスを片付けるべきメールに追われていない。彼らはカジュアルにスクロールしており、クリックするかどうかを考える時間がある、と。
水曜が機能しない理由はその逆だ。会議の合間にフィードを駆け抜けるように見ている。エンゲージメント(ライクやコメント)は保たれるが、購読転換率は落ちる、と分析者は記している。
ここに、Substackで結果を出す書き手と、出さない書き手を分ける本質がある。
日曜が機能するのは、読者が「フィードを丁寧にスクロールできる」時間を持っているからだ。表面を秒で消費するのではなく、Notesの本文を最後まで読み、書き手のプロフィールを開きに行く。一連の行動を取れる集中度がある時、人は新しい書き手を購読する。
水曜が機能しないのは、その逆の状態だからだ。読者は時間に追われ、表面だけスクロールして次へ移る。ライクは押す。だが、書き手の名前を覚えるところまでは行かない。
つまり、配信タイミングの本質は「読者がフィードを丁寧にスクロールできる時間に届けること」だ。瞬間的に視線を集める時間ではない。深く読まれる時間。
これは英語圏に固有の話ではない。読者の認知状態が深い時にコンテンツが流れてくれば、深く読まれる。深く読まれたNotesは、書き手への信頼を生み、購読という行動に繋がる。人間の普遍的な性質だ。日本のSubstackでも基本的に同じ構造が当てはまる。
火曜が2位だったことについて、分析者は仮説を示している。火曜は多くのnewsletterが配信される日であり、読者が「Substackモード」に入っている時間帯だ、と。Substackと結びついた習慣を持っている曜日、と言い換えてもいい。
日本の書き手には、もう一つの好機がある
英語圏のデータには現れない、日本固有の時間帯がある。通勤時間だ。
米国は車社会のため、通勤中のメディア接触はラジオやpodcastが中心になる。スマホの画面を集中して見る時間としての通勤時間は、英語圏のデータにほぼ反映されない。
日本のホワイトカラーは違う。通勤電車の中で、立っている人も座っている人も、9割がスマホを見ている。X、Instagram、ニュースアプリ、メール、LINE。何を見ているかは人それぞれだが、共通しているのは「画面を集中して見ている」状態にあることだ。
この時間帯は、日曜の朝と同じ性質を持つ。読者がフィードを丁寧にスクロールできる時間。9,641本の分析で日曜が機能した理由と全く同じ構造で、日本の通勤電車もNotesが深く読まれる時間帯になる。
平日朝7時から9時の通勤時間に届くNotes、夕方17時から19時の帰宅電車内で目に入るNotes。日本の書き手は、英語圏で検証された日曜の効果に加えて、この平日朝晩の通勤時間帯という追加の好機を活かせる。
Substackは「読まれ続ける」プラットフォームである
ここまで「配信タイミングは読者がフィードを丁寧にスクロールできる時間に届けること」と書いてきた。これがXや他のSNSと決定的に違う理由を、書いておく必要がある。
Substack社側も、購読転換につながる投稿が長期的にフィードで流通する設計であることを明言している。つまりNotesは、投稿直後の数十分だけで勝負が終わるSNS投稿ではない。最初に深く読まれる時間帯で接触を作れば、その投稿は後日も発見され、リスタックされ、プロフィール経由で読まれ、新規購読を生み続ける。
Xは、投稿直後の数十分で勝負が決まる。アルゴリズムが瞬時に判定し、伸びる投稿はその場で伸び、伸びない投稿は数時間で消える。1週間前の投稿に今だにライクがつく、ということはほぼ起きない。
Substackは違う。
私自身、Substackを始めて2週間になる。まだ十分な検証データは取れていないが、確信を持って言えることが一つある。1週間前に投稿したNotesや記事に、今だにライクが付き、リスタックが付き、コメントが付く。これは他のSNSでは起きない現象だ。
Substackのアルゴリズムは、投稿を瞬時に「伸ばす・捨てる」と判定するのではなく、購読転換に繋がる投稿を長期的にフィードに流し続ける設計になっている。Recommendations機能を経由しても、リスタックされたフォロワー経由でも、プロフィールから遡って読まれても、過去のNotesが今日の新規購読を生み続ける。
この性質が、配信タイミングの意味を根本から変える。
Xの感覚で投稿時間を考える書き手は、「ピーク時間に投下して直後の数十分で爆発させる」を目指す。これはSubstackでは意味が薄い。Substackで意味があるのは、「深く読まれる起点」を作ること。日曜の朝、通勤電車の中、読者がフィードを丁寧にスクロールできる時間に届けば、そのNotesはリスタックされ、長期的に発見され続け、何ヶ月にもわたって新規購読を生み続ける可能性がある。
直後の爆発を狙うのではなく、長期的に読まれ続ける起点を作る。これがSubstackの配信タイミング論の本質だ。
配信時間を決める3つの判断軸
ここまでを踏まえて、Notesの投稿時間を決める時の判断軸を3つ書く。
第一に、読者が「フィードを丁寧にスクロールできる時間」を想像する。会社員が多いなら通勤時間と昼休みと週末の朝。経営者が多いなら早朝と週末。子育て中の親が多いなら朝食後と就寝前。読者層を一人の人物として思い浮かべ、その人が「今この画面を集中して見ている」時間を選ぶ。
第二に、競合の投稿時間を観察する。読者がフォローしているであろう他の書き手と同じ時間に投稿すると、フィードの中で隣り合って埋もれる。30分から1時間ずらすことで、他のNotesとの間にスペースを作れる。
第三に、Notesだけでなく、ニュースレター(記事配信)においても配信時間は同じ論理で考える。読者がメールを開いて本文を読み切れる時間は、フィードを丁寧にスクロールできる時間と同じ「集中して読める状態」にある時間だ。日曜の朝、平日の通勤時間、夜の落ち着いた時間。Notesで効く時間帯は、記事配信でも基本的に効く。記事はNotesと違って読者の受信ボックスに届いて待ち続けるという性質もあるので、待つ習慣を形成する観点で、配信曜日と時間を一度決めたら最低3ヶ月は変えない設計が望ましい。
書き手として、書く時間と投稿する時間は別の意思決定だ。書く時間は自分の都合でいい。投稿する時間は読者の都合に合わせる。この二つを分けて考えるだけで、結果が変わる書き手は多い。
配信タイミングの本質は、瞬間風速ではなく長期的に読まれ続ける起点を作ることだ。
書き手として、書く時間と投稿する時間は別の意思決定だ。書く時間は自分の都合でいい。投稿する時間は読者の都合に合わせる。この二つを分けて考えるだけで、結果が変わる書き手は多いだろう。




Notes(記事も)に関しては導線を考えてるかどうかってのも重要なんじゃないかと思います。
今ちょうど1本目を書いている途中で、平日出せれば良いなと思っていた所だったので、次の日曜日に出すことにしました!
毎週日曜日、1本ずつ配信できるように頑張ります!