ベトナム・ブンタウでフォーの魔力に敗北する
ホーチミンから高速船で2時間あまり。日本人に一人も会わないビーチリゾート、ブンタウ。食べ飽きたはずの麺に、なぜベトナムに来るとまた手が伸びるのか。ホテルの朝食で考えた。
ホテルのバルコニーから、海が見えます。
目の前はビーチ。眼下には美しいプール。ベトナムは喫煙者に優しい国で、室内は禁煙でも、バルコニーに出れば葉巻が吸えます。海を眺めながらの一本。葉巻吸いとしては、これ以上ない環境です。エアコンが効いていればもっと最高なのでしょうが、そこまでの贅沢を言ってはいけない。
ここはブンタウ。ベトナム南部のビーチリゾートです。
台湾からホーチミンへ渡り、そこからさらに移動してたどり着きました。ベトナムにはもう何度も来ています。ハノイ、ホーチミン、ダナン、ホイアン、ビエンホア。あちこち旅してきましたが、一番好きなのがこのブンタウで、今回が二度目の訪問です。
正直に言うと、ド田舎です。ド田舎だけどビーチリゾート。日本で言うなら、熱海のような有名どころではありません。千葉の南房総。それも御宿や勝浦のような名の知れた海ではなく、もう少し名前のないビーチのあたり。少なくとも熱海より南房総に近い。そういう場所です。
そして、来るのが大変です。
ホーチミンからリムジンバスで3時間あまり。あるいは高速船で2時間あまり。鉄道はなく、飛行機の直行便もありません。この二択しかない。そしてこのバスと高速船が、びっくりするほどバウンドします。バスは、跳ねた乗客が天井に頭をぶつけるのが当たり前の世界。高速船に至っては、体が宙に浮きます。100キロを超える私の体が、浮く。いや、私どころではない。隣に座っていた150キロはありそうなひげもじゃの白人のおっちゃんも、普通にバウンドしていました。しかもこの高速船、巨大なタンカーのわずか10メートルほど脇を平気ですり抜けていく。生きた心地がしません。
そんな乗り物に2時間から3時間耐えないとたどり着けないのが、ブンタウです。バウンドのご褒美なんだブンタウは。。
ただ、その代わりに手に入るものがあります。日本人と全く会わない。今のところ一人も見ていません。ホテルを一歩出れば、英語もほとんど通じない。私はそういう場所を望んでいるので、ここにたどり着けた今、すごく幸せな時間を過ごしています。
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さて、今日書きたいのはブンタウのことではありません。フォーの話です。
ベトナムのゴリ押し料理といえば、フォー。ベトナムには多様な食べ物があるのに、なぜかとにかくフォーが前面に押し出されている。あなたの印象通りだと思います。日本でも、ベトナム料理店に入ってまず目につくのはフォーです。そして日本中どこにでもあるベトナム料理店で、フォーを扱っていない店はまずない。
つまり、はっきり言って食べ飽きているわけです。
それなのに、ベトナムに来ると食べてしまう。滞在中のどこかで必ず一度、レストランでフォーを注文するという行為をしてしまう。今回も、ブンタウに来る前のホーチミンで一杯食べました。ゴリ押しされていて、飽きていて、それでも食べたくなる。フォーという料理には、何かしらの魔力があるとしか思えません。
そして私にとってのフォーの一番の食べ方は、ホテルの朝食です。
ベトナムのリゾートホテルで、朝食にフォーがない場所はありません。必ずある。今朝も早速シーフードのフォーを注文しました。海老が入り、シャコが入り、イカが入り、シーフードの出汁が見事に効いている。この時点で十分うまい。
しかし、ここからが本番です。ベトナム滞在中は人に会う予定もないので、とんでもないことをします。
こういうホテルの朝食には、調味料コーナーに必ずスライスした生のにんにくが置いてあります。日本でよく見るおろしにんにくではなく、生のスライス。これを大量に入れます。さらに、生の唐辛子を包丁で叩いてペースト状にしたようなものがある。これも大量に入れます。信じられないくらい辛くなります。だが、この激辛シーフードフォーが、うまくてうまくて仕方がない。
毎回、ベトナムに行く前には旅の食を想像します。今回は何を食べようか。いろいろ思い浮かべながら、フォーについては毎回同じ結論を出すのです。フォーはもういい。日本でも食べられるし、飽きているし、今回は新しいものを食べればいい。そう思って飛行機に乗る。それなのに、ホテルの朝食のフォーに毎回負ける。何なんでしょうね、これは。魔法としか言いようがない。
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ベトナムの麺は、フォーだけではありません。私が大好きなのはブンチャーです。よくベトナム式つけ麺と言われますが、つけ麺とは全くの別物。酸味と甘味の両方が効いたつけ汁に、米の麺をつけて食べる。サニーレタスをその汁に浸すと、これがまた何とも言えない味になる。そして汁の中には、炭火で焼いた肉団子のようなものが入っていて、炭の香りがつけ汁にまで移っている。これはうまい。本当にうまい。
ブンボーフエもミークアンも、全部おいしい。ホイアンのカオラウだけは、うまいと思ったことが一度もないけれど。
ベトナムの食は、日本人の舌に合うと思います。そして香辛料の使い方がうまい。青唐辛子ひとつとっても、いろんな場面で使うし、常にテーブルに置いてあって、客が自由に味をカスタマイズできる店が多い。今朝の私の激辛フォーも、その文化があってこそ成立しています。
日本で食べるフォーもおいしい。それは間違いありません。ただ、それでフォーを分かった気になるのは、ちょっと違う。ブンタウの朝、自分の手で激辛に仕立てたシーフードフォーをすすりながら、改めてそう思いました。
皆様もこの夏休み、それぞれの場所で思い思いの時間を過ごすのだと思います。私はこの夏、徹底的にベトナムの食と向き合います。












ベトナム料理本当に美味しいですよね。私はベトナム自体には行ったことないのですが、父がベトナムの研究をしていた関係で子供の頃からベトナム料理が大好きです。
でも日本には、美味しいベトナム料理屋さん少ないですよね。
昔渋谷にあったブーゲンビリアってベトナム料理店がとても美味しく、そこのフォーも最高でした。
でも、オーナーがベトナム人の方から日本人の方に変わってしまい、味も劇落ちしました。
タイ料理はどこにでもあるのに…。
フォーに反応し思わずコメントしました。
僕もフォー大好きでベトナム旅行中、ほぼ毎日のように食べていました🍲
レストランも良いですが、個人的には屋台のフォーに目がなく美味しいところは制覇したいくらいの熱量があります。